【症例100件がスタートライン】都会に通って1年かかる現実に凍った日

アートメイクスクールを卒業しても、それだけでは提携できない――
前回でその現実に直面した私は、次に「症例をどう集めるか」という新たな壁にぶつかりました。
ディプロマだけじゃ不十分。
必要なのは“症例100件以上”という、現場で信頼される実績。
じゃあ、どうやってその症例を集めていくのか?
地方に住む私にとって、その問いは簡単なものではありませんでした。
インスタに100件?200件?それが提携への最低条件
まず、驚いたのは「100件が最低ライン」とされていることでした。
実際に現場で活躍しているアーティストさんたちに聞きました。
「症例がインスタに最低100件ないと提携の交渉できない。」
「200~300件あれば、やっと信用されるレベル」
確かにそれだけの実績があれば、「経験がある人」だと判断される。
でも、その数を集めるというのは、途方もない労力がかかるということでもあります。
施術できる場所がない=そもそもスタートできない
症例を集めるには、当然“施術する場所”が必要です。
しかし私には、
・自宅で施術するという選択肢はない(医師の診察がない場所ではやりたくない)
・提携先のクリニックもない
・レンタルスペースも地元にはない
そうなると選択肢はひとつ。
都会のレンタルスペースを借りるしかないのです。
都会への週1通い…現実的に考えて、厳しすぎる
仮に、週に1回、都市部まで出て、レンタルスペースを借りるとします。
1回の出張には、交通費とレンタル代で約2〜4万円ほどかかります。
そしてその日、2名のモニター施術ができたとして――
- 週1 × 2名 = 月8件
- 100件集めるには、最低でも13か月(キャンセルなしで計算)
- 200件に届くには、2年以上かかる計算
さらに現実的に考えると、子育てや家庭、仕事との両立があるため
週1で通えるかどうかも怪しいレベル。
しかもこれは、集客がうまくいった場合の“理想値”。
SNSでの告知 → 予約 → 来店 → キャンセルなし、というすべてが揃っての話です。
モニターに友人や身内を?→ でも呼べる距離じゃない
「とりあえず友人や家族にお願いして…」と思っても、
レンタルスペースが都市部にある以上、地元の人を呼ぶのは現実的じゃありません。
- 交通費が高い
- 時間がかかる
- そもそも予定が合わない
- お金を出してでも来てもらう必要がある
「お願いするだけでも気を使う」のに、来てもらうために負担をかけることになる。
その結果、私の身近な人たちは現実的な“症例候補”にはならないと判断せざるを得ませんでした。
知り合いゼロの都会で、どうやって集客する?
となると、次に考えるのは「現地での集客」です。
SNSを使ってモニター募集をするにしても、
- まだ症例がない
- フォロワーも少ない
- そもそも投稿実績も乏しい
- InstagramやXのアカウントもまだ育っていない
つまり、信頼ゼロからのスタート。
見知らぬ人を相手に、いきなり「施術させてください」とお願いする。
そんな自分を想像すると、不安と恐怖で胸が締め付けられそうになります。
「100件を目指そう」と言える人の条件
話を聞いていて思ったのは、
症例100件をスムーズに集めている人は、以下のような条件が整っていることが多いです。
- 都会に住んでいて、すぐ施術できる環境がある
- SNSアカウントに実績があり、ファンや知り合いが多い
- 既に美容業界にいて、土台がある
- 家族やパートナーの協力がある
- 施術できるスペースが安定して確保できている
一方の私は――
そのどれもがまだ整っていない、スタート地点にも立てていない状態。
今のままでは、100件の症例を集めるまでに1年、2年…いや、それ以上かかるかもしれない。
そして、そのあいだに生活はどうするのか。お金は持つのか。家庭はどうなるのか。
考えれば考えるほど、足がすくみそうになります。
【まとめ】理想は見えても、たどり着けるとは限らない
「アートメイクで働きたい」
「好きな美容の道で、自分のキャリアを再構築したい」
そう思ってスクールを探し始めた2ヶ月前。
私は、ワクワクした気持ちで未来を描いていました。
でも今、その理想は“光り輝く遠い星”のように思えます。
技術を学ぶことよりも、その後の“症例をどう集めるか”という課題のほうが、
私にとってははるかに大きな壁だったのです。
まだ諦めたわけではありません。
ただ、現実を知ったことで、立ち止まり、考える時間が必要になりました。
「このまま突き進んで大丈夫?」
「もっと現実的な方法はない?」
「今の私の環境で、できる選択肢は何だろう?」