【卒業=スタートだった】「ディプロマがあれば大丈夫」の幻想が崩れた日

アートメイクを学ぼうと決意したとき、私の頭に浮かんでいたのは「ディプロマさえ取れれば、何とかなる」という思いでした。
看護師という医療資格もある。
ディプロマを取得して、クリニックに提携をお願いすれば、きっとどこかで受け入れてくれるだろう。
…そんなふうに、どこかで“順調な未来”を描いていたんです。
けれど実際は、想像よりずっと現実は厳しかった。
「卒業=スタート」。
むしろ、そこからが本当の闘いの始まりでした。
「卒業してからが勝負だよ」その一言が、刺さった
ある日、Instagramで繋がったアーティストさんとやりとりをしている中で、こんな言葉をいただきました。
「スクールを出ても、すぐに提携なんてできないよ」
「卒業してからが本番だし、そこからが一番大変だよ」
頭ではわかっていたつもりだったけれど、実際に言葉にされると、胸にズシンと響きました。
私は、スクール卒業後に渡される“ディプロマ”というものに大きな価値を感じていました。
それが「技術者としての証明」であり、「就職の切り札」になると思っていたんです。
でもそれは、ただの“学び終えました”という証明書にすぎない。
実際に現場で施術をしようとするなら、もっともっと必要なものがあったのです。
「ディプロマがあれば働ける」なんて、甘かった
現実として、アートメイクの世界で必要とされるのは“技術”だけではありません。
・信頼できる実績
・安全な環境での施術
・医療としてのルールを守れる体制
・そして、実際に施術をする“場所”
これらが揃って初めて、“仕事”として成り立つ世界。
つまり、「学んだ証明」であるディプロマは、その中のひとつにすぎず、
それだけでは提携先のクリニックも、顧客も、誰も動いてはくれないのです。
提携先がなければ、自分で“営業”しなければいけない
ここでもまた、大きな壁が立ちはだかります。
私が住んでいるのは、東京や大阪といった大都市ではありません。
ましてや、美容医療が盛んな地域でもない。
つまり、卒業しても受け入れてくれるクリニックがないのです。
そうなれば、選択肢はひとつ。
自分でクリニックに提案し、提携をお願いするしかない。
でも、それがどれだけ大変なことか…。
医師に会って、自分を売り込んで、症例を見せて、条件をすり合わせて…。
そもそも“症例”がなければ話も始まらないのです。
必要なのは、“ディプロマ”より“症例100件の実績”
実績として必要なのは、インスタグラムなどのSNSに掲載できる症例写真。
それも数件じゃ意味がありません。
多くのアーティストや指導者が言います。
「最低100件。200〜300件あると安心される」
「インスタにそれだけ載せて、やっと“信頼の土俵”に立てる」
これは、私が想像していたよりはるかに高いハードルでした。
100件の症例を集めるには、時間も、費用も、場所も、人脈も必要です。
そしてそのためには、また別の課題――
“施術する場所”の確保という壁にぶつかることになるのです。
(この続きは次回へ)
【まとめ】“資格”を取っただけでは、仕事にはならない
この1ヶ月、私はずっとスクール探しをしてきました。
そして、スクールの実績や卒業生の声、講師の症例を調べながら、少しずつ理想に近づけるように選んできました。
でも、ようやく気づきました。
「卒業すること」=「働けること」ではない。
私にとって、ディプロマはゴールではなく“通過点”でしかなかった。
学んだあとにどう働くのか。
どんな環境で、どんな人たちと、どこで、誰のために。
そうしたことを考える「その先のステージ」の準備こそが、何より重要だったのです。
この気づきは苦しかったけれど、きっと無駄じゃない。
次はその“症例実績をどう作るか”という現実に向き合いたいと思います。